top of page
■基本的なスタンス
プロジェクト毎に、お会いしたクライアントによって、
コンセプトや目標は違ってくると思いますが、
それ以前に、計画を進めるにあたって大切にしていることがあります。
以下は、どのような計画でも変わらない私たちの基本的なスタンスです。
□人間が、安心して暮らせるシェルターを創る。
:住宅の場合、人間が安心して暮らせることが一番大切だと考えています。
地震時の火災による被害や、悪意のある第三者による放火等の被害も多いことから、
耐震性能とともに、耐火性能の優れた石、レンガ、ブロック、土、RC等による
無垢のシェルターをご提案しています。
□敷地やプログラムを検討し、豊かな光や心地良い風を取り込む。
:継続可能なシェルターにより、しっかりと内部を包みこむとともに、
計画毎に、敷地やプログラムなどを十分検討し、最良の光や風を取り込みたいと思います。
「閉じること」と「開くこと」は、一対であり、
きちんと閉じなければ、きれいに開かないと考えています。
□できるだけ特殊な部分をつくらず、きれいな形式に集約していく。
:「閉じること」と「開くこと」を、できるだけ特殊な部分をつくらずに、
あるルールの基に、きれいな形式に集約させたいと考えています。
特殊な部分をつくらないというのは、コスト的に有利だということだけでなく、
ひとつの生命体のように建築をつくりたいと考えているからです。
□クライアントの固有の夢や目標、意志を建築に刻んでいく。
:どのようなプロジェクトでも、そのクライアントにお会いできたことで、
共有できた夢や目標を見つけたいと考えています。
部屋の大きさや部屋数といった定量化されるものではなく、
ボリュームを持たない、クライアントの生き方や夢、家族への想いなどを、
しっかりと時間をかけてお聞きすることを心がけています。
ですから、基本設計では時間を切らないようにしています。
お互いに納得でき、共有できた夢や目標があれば、
その後の実施設計や、見積り調整なども、
ぶれることなく、進めていけると考えています。
□人間が暮らすのだから、皮膚呼吸しているような建築をつくる。
:高気密、高断熱、24時間機械換気を正直に言うと、疑っています。
ホルムアルデヒドなどの有害物質を換気して、外を汚して、
更にその汚れた空気を吸気しても何の問題解決にもならないですし、
エネルギーロスを少なくするためといいながら、
エネルギーを使って24時間換気扇を廻しているのは何かおかしいと思いませんか。
健康に呼吸できる人に、人工呼吸器を付けているような感じがするのです。
高気密、高断熱、24時間機械換気は、北欧のシステムが北海道で普及した考え方ですが、
湿度の低い北海道ならまだしも、湿度の高い本州では、やはり風通しの良い家がよいと考えます。
自分の体に断熱材やサランラップを巻いて、生活するのは誰でも不快だと思うのですが、
暑い日には上着を脱いでシャツの袖をまくり上げ、
寒い日にはマフラーを首に巻き、ダウンジャケットを着込む・・・
皮膚呼吸することをベースにした、そんな温熱環境をコントロールできる家をつくりたいと考えています。
□自然の一部になるような建築を創る。
:初源的な洞窟などもそうですが、
本来、動物である人間の住処は、石や土、木など近くに転がっているものや、
地球の一部を削って創っていました。
近代になり、様々な工業製品や新建材が登場しましたが、
朽ちた時に、そのほとんどが産業廃棄物となり、
このままでは、本来創造的な行為である建築が、
粗大ゴミを生み出し続ける行為となってしまうように感じます。
全てを自然の材料でという訳にはいきませんが、
朽ちてもゴミにならない、自然の一部となるような建築をつくりたいと考えています。
□長く存在する建築を創る。
:ある統計によれば、日本の住宅は30年使われるものが30%以下であり、
イギリスでは平均で150年もの間、1つの住宅が使われ続けるといいます。
その結果、日本では建設に投じたお金がただ消費されただけであり、
良質な住宅が、個人的にも、社会的にもストックされていません。
一方、欧米では、建てた家が長持ちすることで、
個人的な資産としてだけではなく、風雪に耐えた美しい街並を形成しています。
住宅が長く使われるためには、構造体が長持ちするとともに、
家族の使用状況や、ライフスタイルに合わせて、
内部空間がいかようにも対応可能でフレキシブルであることが理想だと思います。
これらを満たすために、外部に対しては、石、レンガ、ブロック、土、RCなどの面材で構成し、
内部はできるだけ自由に衣替えできるように、木や鉄などを線材として構成していきたいと考えています。
ひたすらローンのために働き続け、
ローンが終わるころには建物も壊れてゴミとなり、また次のローンが始まる・・・
とても、もったいないと思いませんか。
bottom of page